株式会社 砂野設計事務所 Sunano Architects Inc.
 

安全で安心な建物設計事務所って何?建築基準法って何?法令用語解説役立つ情報サイトコラムFAQ建築関係書籍の購入このサイトについて掲示板目次に戻る

 
Home | Sitemap | Search | E-mail  

コラム (2002.05)

  最新のコラムへ戻る

 ■ INDEX (目次)
 やり場のない憂い2002.05.27
 少子化と住宅需要の関係2002.04.19
 伝建地区「今井町」のまちなみ2002.03.27
 排他的共倒主義2002.02.26
 「格付け」 (Ratings Lists)2002.01.23
 こんなときこそ道路をつくれ2002.01.04
 履行保証制度2001.12.14
 日本の競争力2001.11.14
 地震に対する建築物の耐力2001.10.31
 あららホームサーバ2001.10.06
 こだわり2001.09.01
 質実剛健2001.08.08
 情報ソース2001.07.25
 オープンソース(open source)2001.07.13
 うちの柱 特上なん?2002.05.02
 イメージと記憶容量2002.04.04
 屋外広告物規制2002.03.13
 国土交通省コメントを翻訳2002.02.05
 ん? 法的整理2002.01.14
 迷走する日本経済2001.12.25
 検索サイトの活用法2001.12.09
 住宅寿命指数2001.11.04
 サーバの引越し2001.10.16
 業界再編2001.09.11
 業界の取組み2001.08.17
 第三セクター2001.07.27
 建築士のステータス2001.07.16
 コラム(column)を書くぞ2001.07.12
 

やり場のない憂い


このところ建築ネタのマトモなコラムが何故か続いている。どんどん読者も増えて おかげさまで出版社から引き合いが来るなんてことは微塵の兆候も無い。そんなこんなで今回は現代社会の憂いに一石を投じる政治ネタ。ではなくて気楽なネタ。

政治家(や)のつまらんニュースに国民皆が辟易としている今日この頃。そんな中にくすぐるニュースがあった。「鈴木宗男氏の政治団体への寄付金について政治資金収支報告書がどうのこうの」という全文読まなくても内容が想像できるもの。衆参30人の国会議員で構成される鈴木氏を囲む若手議員の会『ムネムネ会』が......  のくだり『ムネムネ会』?『ム・ネ・ム・ネ』だぁ?

関西人としてこれは突っ込まずにはいられない。

ベタ!

このベタさに若手議員といいながらも50歳前後(世間一般からはもう既に若手と呼ばれない年齢層)を中心とした構成であることがうかがえる。

【 解説 】  ベタ / べた 下手 [関西弁]/ So Standard [英]  So Flat [米]   ....うそ

あまりにそのままなこと、ひねりや工夫がないこと


若手議員A:「鈴木先生を囲む我々若手グループの名前を『ムネムネ会』にしよう」
若手議員B:「せんせっ! そらまたベタなネーミングでんなぁ」
若手議員A:「『ムネムネ会』の勉強会はネムネムなんちって......」
若手議員B:「......ベタベタ



そうベタといえば忘れてならないのが ココ

この業界にベタなネーミングは多いものの丸井産業は最強である。
建設産業に従事しながらもご存知無い方は ぜひ足をはこんで、そのベタワールドに酔心してほしいものです。



今回のネタは軽いなぁー 密度0
そういえばシネシネ団って昔ありましたねぇ レインボーマンか何かで

2002.05.27

 

うちの柱 特上なん?

スーパー各社が「特選」「特上」や「完熟」といった明確な根拠の無い表記は止めるそうです。 消費者に品質や材料の誤解を与えかねない表記を撤廃し表示に対する信頼を回復するのが目的だとか。


では住宅の話し、
大工さんに「うちの家の柱はいいもん使ってるの?」と尋ねて
特上のええもん 使ってまっさかいに大丈夫でっせ」って言われても一抹の不安が....

さて、実際にはどのような規格と表示がされているのか?

題して、

ゴールデンウイーク特別規格
コラム特大号  【 うちの柱 特上なん?
(↑...あららなダジャレ、それでもってコラム? メモだろメモ)


木材の品質を表示するJAS規格(日本農林規格)

JAS規格は「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」に基づいた規格です。 木材においては、針葉樹製材(造作用、下地用、構造用)、広葉樹製材、枠組壁工法用製材等、現在25品目を対象に規格を定めています。

これら対象品目について農林水産大臣指定の登録格付機関もしくは認定を受けた製造業者が検査をし格付けをした製品に対してJASマークを付すことができます。JASマークを付けるかどうかは製造業者の自由判断によるもので、JASマークを付けていない製品の流通を規制するものではありません。

ここで住宅の柱を例にとり簡単な説明をします。

JAS規格において柱は 針葉樹製材品ひき角類(正角)に属します。この中で建築物の構造上主要な部分に使用する部材については針葉樹構造用製材と呼びます。この規格は強度性能を重視し、目視等級区分機械等級区分に分けて検証されます。

目視等級区分では節や虫食いなどの欠点を目視により検証し等級区分されます。 梁や桁材など曲げ性能が求められる材は断面積の大きさから甲種構造材T甲種構造材Uに分けられます。また柱のように圧縮性能を求められる材は乙種構造材に分類されます。

目視等級区分
区 分 甲種構造材構造用T 甲種構造材構造用U 乙種構造材
  等 級 1級 2級 3級 1級 2級 3級 1級 2級 3級
表 示 ★★★ ★★ ★★★ ★★ ★★★ ★★
全 面


(%)

20 40 60   30 40 70
狭い材面   20 40 60  
広い
材面
材縁部 15 25 35
中央部 30 40 70
集中
全 面 30 60 90   45 60 90
短 辺   30 60 90  

材縁部 20 40 50
中央部 45 60 90
丸身 (稜線上の欠け) 10 20 30 10 20 30 10 20 30
貫通割れ 木 口 長辺
以下
長辺
X 1.5
長辺
X 2.0
長辺
以下
長辺
X 1.5
長辺
X 2.0
長辺
以下
長辺
X 1.5
長辺
X 2.0
材 面 材長
1/6
材長
1/3
材長
1/6
材長
1/3
材長
1/6
材長
1/3
目廻り 短辺寸法
1/2
  短辺寸法
1/2
  短辺寸法
1/2
 
繊維走行の傾斜 1:12 1:8 1:6 1:12 1:8 1:6 1:12 1:8 1:6
平均年輪幅 6 8 10 6 8 10 6 8 10
腐 朽 B C B C B C
曲がり (%) A B C 0.2 0.5 0.2 0.5
狂い、その他の欠点 B C D B C D B C D
凡例: 0=ない A=極めて軽微 B=軽微 C=顕著でない D=利用上支障がない


機械等級区分では測定機によりヤング係数を測定して等級区分されます。

機械等級区分
等 級 曲げヤング係数 (tf/cm2)
E 50 40 以上  60 未満
E 70 60 以上  80 未満
E 90 80 以上  100 未満
E 110 100 以上  120 未満
E 130 120 以上  140 未満
E 150 140 以上


上記分類のほか、和室で露出される柱などには針葉樹の造作用製材(造作類)の品質基準により分類されます

造作用製材の品質基準
区 分 無 節 上小節 小 節
広い材面を含む1材面以上の材面にないこと 広い材面を含む1材面以上の材面において長径が10mm(生き節以外の節にあっては5mm)以下で、材長2m未満にあっては4個(木口の長辺が210mm以上のものは6個)以内であること 広い材面を含む1材面以上の材面において長径が20mm(生き節以外の節にあっては10mm)以下で、材長2m未満にあっては5個(木口の長辺が210mm以上のものは8個)以内であること
丸身 無いこと 同 左 同 左
腐れ、虫穴 無いこと 同 左 同 左
割れ 貫通割れ 木口 長辺の寸法以下であること 同 左 同 左
材面 無いこと 同 左 同 左
材面の短小割れ 割れの長さの合計が材長の5%以下であること 割れの長さの合計が材長の10%以下であること 同 左
曲り 木口の辺長が75mm以下のもの、または木口の長辺が75mmを超えかつ木口の短辺が30mm以下のもの 0.5%以下であること 1.0%以下であること 同 左
上記以外の寸法のもの 0.2%以下であること 0.4%以下であること  
反り、ねじれ 極めて軽微であること 軽微であること 顕著でないこと
かけ、きず、穴、入皮 無いこと 極めて軽微であること 軽微であること
変色、あて、かび、 極めて軽微であること 軽微であること 顕著でないこと


木材の強度や腐朽には含水率が影響します。
仕上げ材については含水率 15%以下のものを SD15、18%以下のものを SD18、20%以下のものを SD20
未仕上げ材は同様にそれぞれ D15、D18、D20と分類されます。


以上をふまえ実際の表記例をみてみましょう。

JASによる製材品の表示例
上から 
樹種 JASマーク JAS格付機関 材種区分(等級) 選択表示事項 乾燥区分 寸法 製造業者
例: 檜 JASマーク ××林業センター 乙★★★ 二方無節 SD18 10.5x10.5cmx3m ○○製材所

上記のように書いてあったとすると、
樹種が檜で 目視等級区分 乙種構造材で 材面2面が上小節 含水率 18%以下 木口の断面が 10.5cmX10.5cm 長さが 3.0m ○○製材所で製作されたもの。検証は××林業センターです。

このようにJAS表記をみれば、その品質が解かる訳です。




大工さんに「うちの家の柱はいいもん使ってるの?」と尋ねて
柱の表記をポンポンと叩いて「柱は乙種の1級で見えるところは無地ですわ」って言われると 「ほほー」となるわけです。

こういう品質表示があれば安心できるでしょ。



参考URL:
    ・(財)日本木材総合情報センター
    ・吉野中央木材 株式会社
    ・木の情報発信基地
    ・森の窓

参考書籍:
    ・和風デザイン図鑑 [エクスナレッジムック]


2002.05.02

このサイトに関するご意見・ご要望は info@architects.jp までお願いします